僕は年に１度くらいしか実家に帰らない。
年末年始、お盆休み期間は帰らない。帰るとしても若干時期をずらす。
理由はみんな帰省するからと言ってここぞとばかりに値上げしてくる交通機関に高い賃金を払いたくないからだ。
数万円を払って家に帰るなんてなんか癪だ。それなら旅行してやる。
そんなたまにしか実家に帰らない僕が実家で必ずすることは、両親と一緒に朝ドラを観ること。
別に朝ドラが好きだからというわけではない。
なんなら途中から観ることになるから内容もちゃんと理解できていない。理由は父さんと母さんと一緒にテレビを観ることができる時間がそのくらいしかないからだ。
両親は特別仲が悪いわけではないが、特別仲が良いわけでもない。
父さんはザ・アメリカンみたいなアクション映画が好きだし、母さんは韓国ドラマが好き。
二人がドラマや映画を観るときは、どちらかがリビングでもう一人は自分の部屋でそれぞれのテレビで観ている。
でも朝ドラだけはリビングで一緒に見ているし、何なら観た後に感想も言い合ってる。もしかしたら唯一の共通する趣味なのかもしれない。
そんな朝の時間を一緒に過ごすために、僕は帰省しているにも関わらず毎日早起きしている。
実家に帰っているし休日だからゆっくり起きてもいいんだけど。。
そして朝ごはんを食べながら、朝ドラを観ている二人を後ろから観ている。
そんな朝ドラに流れる音楽は僕の平和な時間の記憶と結びつく。
だから自分の家に戻ってからも朝ドラの曲を聴くたびに「あ、父さんと母さんの曲だ。」って思い出し、脳内に平和な時間が流れる。
今日の朝も二人は一緒に朝ドラを観ているんだろうな。
そんな時間を作ってくれる朝ドラが好きだ。僕の両親のためにこれからも長く続けてほしい。
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